北ア常念山脈(長野) 蝶ヶ岳(2677m) 2022年8月27日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 1:51 三股駐車場−−2:03 林道終点−−2:13 吊橋−−2:22 力水−−2:29 ゴジラの木−−3:19 まめうち平−−3:55 蝶沢−−5:18 蝶ヶ岳 5:32−−6:28 蝶沢−−6:48 まめうち平−−7:17 力水−−7:21 吊橋−−7:28 林道終点−−7:32 三股駐車場

場所長野県安曇野市
年月日2022年8月27日 日帰り
天候曇&ガス 稜線は南西の強風
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場三股の駐車場(第一駐車場)を利用
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント前線のしっぽが接近しつつあり、天気は下り坂で午前中には雨が降り出し南寄りの強風が予想されたため風雨を最後まで避けやすい蝶ヶ岳へ。雨を覚悟だったが予想よりは天気は良く、山頂はガス&強風だったが下界は晴れ間もあって雨に降られることはなかった。山の花はすっかり秋モードだった。


蝶ヶ岳のテント場。深いガスに覆われて何も見えず強風で寒かった


三股駐車場のトイレ。いつも明るい 林道終点の登山指導所
力水(最終水場) ゴジラの木
まめうち平 蝶沢。涸れているが数10m上流で水音がしていた
午前4時15分。東の空が明るくなり始める 午前4時40分。東の空は晴れている
標高2550m付近から見た常念岳 大滝山分岐
大量のハイマツの実。ホシガラスの食事跡 谷間を抜けるとガスと強風
蝶ヶ岳ヒュッテのテント場。土曜朝でこれだけあるのは多い方か
野生動物撮影用カメラ。少なくとも3ヵ月は設置されている 蝶ヶ岳山頂。ガスで何も見えず
ウラシマツツジは紅葉し始め トリカブト
オトギリソウ 葉からしてハクサンボウフウっぽい
イワツメクサ コケモモの実
ミヤマアキノキリンソウ ハクサンフウロ
ミヤマキンポウゲ お花畑
イブキトラノオ ベニバナイチゴの実。食べられるが種が大きくて邪魔
最終ベンチ(標高2500m付近) カニコウモリ
第二ベンチ(標高2300m付近) 常念岳は前常念岳も雲の中
キオン ゴマナ
ヤマハッカ サラシナショウマらしい
蝶沢 ハンゴンソウ
カニコウモリの群落 ゴゼンタチバナの実
標高2000mの標識。ほぼ正確 まめうち平
種類不明 マイヅルソウの実。初めて見た
常念岳 キツリフネ
力水(最終水場) オオレイジンソウかと思ったら白いトリカブトだった
ズダヤクシュの実 センジュガンビ
オオカメノキ 三股
つい先日まで常念小屋もコロナ発生で休業だったようだ 林道終点。登山指導所は無人だった
ツリフネソウ ソバナ
三股駐車場。夏山シーズンの週末で満車でないのは珍しい


 今週末は天気が悪い。寒冷前線が本州上を南下し、その「しっぽ」がちょうど北アルプスにかかる予想で、あからさまな前線ではないにしてもちょっとだけ弱まった前線の通過と考えてよい。いくつかの天気予報を確認したがいずれも山では午前9時以降に雨が降り出すことになっており、風は南寄りの強風が予想された。前線の近くなので当然だろう。日曜日のお昼くらいには回復しそうだが、土曜早朝でも雨が降り出す前に降りられそうな感じなので土曜に出かけることにした。

 雨の降り出しは西側の県境稜線からで、北アルプスでもできるだけ東側の山が雨の降り出しは遅いはず。また、南寄りの強風を避ける意味でも常念山脈の蝶ヶ岳に決定。ここは山頂直下まで樹林帯が続いており、もし雨に降られても小雨なら雨具は不要であるし、山頂直下まで南西の風が稜線にブロックされるので長時間風に曝されることもない。こんな条件では一番リスクが少ない山と言えよう。この天気では山頂での展望は期待できないが、所要時間も比較的短いので許容範囲だ。

 金曜夜の三股駐車場の入りは半分以下と通常の金曜夜よりは少ないのは天気予報の悪さが原因だろう。好天は金曜までだったので金曜に下山した人が多いと思う。それでも夜中にポツリポツリと車が上がってきた。

 雨の降り出しが早いと予想されたので山頂到着は日の出の時刻、午前5時15分として出発は午前1時45分。予報と違って頭上は満天の星空なのには驚いたが、これが稜線でも同じかどうかは分からない。でも雨の可能性は当初より減ったようで一安心だ。駐車場では風は全く感じられないが稜線上の風の状態は不明だ。

 真っ暗な林道を歩いて終点には車が2台。三股分岐を直進して蝶ヶ岳方面へ。前後には登山者の光は見られない。この時期は蝶沢で水は得られないだろうと予想して力水(最終水場)で150ccほど汲んだ。今日はおそらく日差しが無いだろうからほとんど水は消費しないと思うが念のため。水量は通常通りで減った感じはなし。

 木の階段を上がってゴジラの木で傾斜が緩んで「まめうち平」から北に落ちる尾根へと取り付いてから再び本格的な登り。まだ頭上には星が見えているが稜線に近い方向には星が見えず、どうやら雲がかかっているようだ。樹林の切れ間からは常念岳がシルエットで見えるはずだが全く見えなかった。やはりガスがかかっているのかも。

 まめうち平を越えると傾斜が緩まり、今の時期は多数のカニコウモリが花を付けているが、既に花のピークは過ぎて萎れかけ。もう少しで9月だからなぁ。予想通り蝶沢は涸れていたが、すぐ上で水音がしていたので2,30mも登れば水が得られそうだった。ここにはハンゴンソウの群落あり。秋の花だ。

 今回はこんな時間帯でも久しぶりに登りで追い越された。単独の男性で、おそらく常念岳まで縦走して三股に戻る周回ルートなのだろう。雨が降り出す前に戻れればいいが。装備はトレランよりも登山者寄りであったので、おそらく雨具は持っていただろう。

 今の時期は森林限界で明るくなるのは4時45分くらいなので、樹林帯では5時近くまでライトが必要だった。周囲が明るくなると常念岳山頂はガスがかかるかギリギリの状態で、もしかしたら蝶ヶ岳は雲の層の下かもしれないと期待したが、残念ながら標高2500m付近からガスがかかり始めて山頂までずっとガスの中だった。そして徐々に風が強まり、稜線上の強風は確定だ。

 大滝山分岐を通過してハイマツの谷間でめいっぱい防寒装備を装着。この先のハイマツ帯は強風が吹き付けるので体感温度が一気に下がるためである。ガスの中を緩やかに上がってテント場に到着すると10張程度のテントあり。このテント場は西寄りの風は稜線でブロックされて風が弱いのだが、稜線から離れた場所では強い風で単独では撤収が大変そうだった。

 テント場を通過して稜線に出るともろに南西の強風が吹きつけて寒さがさらに増す。ガスが濃くて穂高は影も形も見えないし蝶ヶ岳ヒュッテさえも全く見えなかった。2ヵ月前にもあった野生動物撮影用のカメラはまだ設置されたままだった。

 そして山頂に到着。高校生パーティーらしい団体が記念撮影のお願いをしてきたので、手袋を脱いでスマホで撮影。全く展望が無い中では残念だろうが、昨日は好天だったはずなので展望は堪能しただろう。このパーティーは上高地方面へと下っていった。私はハイマツの影で風を避けながら軽く飯を食い、ガスが晴れる可能性はほぼ皆無で寒さがきついこともあり約15分の休憩で下山を開始した。小屋泊まりの人よりも早い下山だったかも(笑)

 テント場付近のお花畑は既に秋の花に切り替わっていてトリカブトが目立ち、ミヤマアキノキリンソウはピークを過ぎていた。セリ科の花は葉っぱからしてハクサンボウフウらしかったが自信なし。風が抜ける東側の砂礫地ではイワツメクサが僅かに残っていた。ハイマツの影のコケモモの実は赤くなっていたが、まだ完熟状態ではなかった。

 ハイマツの谷に下りるととたんに風が弱まって体感温度はぐっと上がるが、既に寒さで体が冷えているので運動で体が温まるまで雨具を含む防寒装備を着たまま歩いた。大滝山分岐西側のお花畑は既に黄色くなり始めており、咲き残った花は僅かであった。

 登りの人とすれ違ったのは蝶沢からかなり下った場所であった。最初はトレラン姿の人が多く、そのうちに普通の登山者に切り替わった。すれ違った人数は通常の週末よりは確実に少なかったが、それでも明らかにテント泊装備の人も。天気予報を見ていないわけは無いので雨覚悟なのだろう。私にはもうそんな気力は無い。

 下山時の樹林帯以下で撮影した花はカニコウモリ、キオン、ハンゴンソウ、ゴマナ、ヤマハッカ、サラシナショウマ、キツリフネ、白いトリカブト、センジュガンビ、オオカメノキなど。マイヅルソウやイワカガミの群落があった地点では種類不明の白い花あり。ネットで色々調べてみたが名前は分からなかった。

 今回はマイヅルソウの実を初めて見た。薄い茶色の丸い球で、花と比較すればかなり大きめ。ただしこの色では目立たない。ゴゼンタチバナの実は真赤で目立つ存在だった。

 三股分岐では新型コロナ発生で8/17〜8/23まで常念小屋が休業するとの表示が出ていたが、下山後にネットで調べたら休業期間が8/29まで延びていたことが判明。今年は山小屋でもコロナ発生が多いが、下界で流行しているからだけではなく入山者が増えていることも理由であろう。そのうちこれが普通の光景となるのであろうか。でも通常の登山者にとっては突如として休業されるのは困るだろう。林道終点の登山指導所は無人のままで、例年通り人が入るのはお盆までであった。

 林道脇ではツリフネソウ、ソバナの花が見られた。ここまで下ると薄日が差すようになり、天気予報よりも天気の崩れが遅れているようだ。おかげで最後まで雨に降られることはなかった。三股駐車場は10台以上の空きスペースがありこの時期の週末としては珍しいが、天気予報が悪いので当然の結果か。駐車場から西を見上げると蝶槍付近の稜線が雲の切れ間から見えていた。

 林道を下って穂高の町へと向かって緩やかに下っていく途中でバックミラーを見たら雲に覆われて山は全く見えなくなっていた。

 

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